吉田初三郎「日本鳥瞰近畿東海大圖繪」部分(国際日本文化研究センター所蔵)
奈良女子大学が学外諸機関と連携しながら、歴史文化の研究を推進する新しい組織が生まれました。「けいはんな歴史文化共同研究所」と申します。
「けいはんな」を漢字で書くと「京阪奈」となります。学研都市を指すだけでなく、古代以来、日本の中心であり続けた京都、大阪、奈良を含む関西エリア、木津川・淀川流域をフィールドにした歴史文化を探究します。
「共同研究」が目指すのは、学研都市の研究機関をはじめ、地域の自治体、研究所・博物館・大学、地域の人々と協働して研究を推進することです。また、文学系、理学系、工学系の垣根を超えた研究も意図しています。
奈良女子大学の中には、歴史研究、地域研究の組織として、すでに「古代学・聖地学研究センター」、「なら学研究センター」があり、次々と成果を生み出してきました。この二つの研究センターと連携し、また棲み分け、フィールドから日本の歴史文化を考えます。
明治から始まる官立女子高等師範学校では、国史(日本史)の分野が中心のひとつでした。当時の研究教育の最先端をリードしていました。この伝統を引き継ぎ、ローカルかつ地道な調査研究から、ナショナルな、またグローバルな課題を考えたいと思います。